ナポリでの探訪録を以前ここに書いたことがある。もう5年ほど前のことだろうか。
日本を代表するオペラ歌手(バリトン)を伴いこの地を訪れて、ある教会の主催で行われたコンサートに招へいされたことを、盛夏の情景を交えて記している。コロナ騒動に掻き回されるかなり前のことであるから、昨今の状況からは到底想像のつかない自由な灼熱の太陽がそこにはあった。
3回目のワクチン接種の進んだイタリアでは、日本よりも早めにコロナ呪縛から解かれることになる。レストランをはじめとする飲食の場はかなり解放されてきて、最小限の規則を守りさえすれば家族や仲間たちと楽しめる環境が戻り、芸術やスポーツの場においても同じく、以前ほどの括りはなくなってきている。とはいえ恐怖に基づいた暮らしとは驚くべきもので、いま戸外でのマスク着用が自由になった街中においても、イタリア人のマスクを取れないでいる姿が多く目立つのである。専門家や周りの声に左右されることなく、我が身は自分自身が守らなければならないという自覚が見てとれる。この2年という苦難に帯びた非日常的な時間は我々にそのような習慣をもたらしてくれている。
1月中旬、感染とそれに伴う縛りが緩くなってきたことをうけて、かなり時間の空いてしまったナポリへ出掛けている。春に活動の場を日本に移すことになる娘を伴っての父娘二人旅は、オペラと美術、そして当然ながら本場ナポリの食を堪能することが目的である。
まず、旅立つ前に驚いたのが基準値の見えない航空運賃の低価格化である。当然ながらミラノ、ナポリ間の移動を見据えてのこと。アリタリア航空という長年イタリアのフラッグ・キャリアとして、また近年は慢性的な経営不振が募り、エティハド航空、デルタ航空などの傘下に収まるも、結局は昨年10月に破綻を来したイタリアの翼があった。それを円滑でもなく引き継ぐことになり、いまはまだ軌道に乗り切ってはいないイタ・エアウェイズとの狭間にあって、欧州内で航路を拡大しているLCC(格安航空会社)の台頭。
欧州内ではライアンエアー、イージージェットをはじめかなりの数の低価格エアが目白押しであるが、それにしても今回のネット購入時には目を見開いている。ウィズエアはハンガリーのLCCであるが、イタリア国内においても好評と聞いてサイトを覗いてみると、ナポリまでの往復が60ユーロ(8,000円)。陸路(鉄道)の半額以下で旅ができるのである。これでどのように採算をとるのか、はたまた安全性に不安はないのだろうかなど様々な疑問を抱えながらも、とりあえずエアチケットを購入すると旅の準備を整えている。
堂満尚樹(音楽ライター)
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